猗窩座 2021-03-06 09:21:59 ID:35ffca745 |
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(彼が教えを説く時、何かを確と伝えようとする時の姿勢は目で見ずとも微かな声色の違い空気の揺らぎで何となく分かる。長年連れ添ったからこそ分かる気配に、ぴくり睫毛を揺らして反応すれば自ずと己の手も軽く握られ拳となった其れを膝の上へ、自然と伸びた背筋で彼に向き直り。荒んだ家庭環境の中両親とこそ、この様な場面になる事も皆無だったが きっとこの男はいつかの未来、自分に子に対してもこうして真正面から向き合った態度で導くのだろう。其れも誇らしい様な、少し寂しい様な。気恥ずかしさを訴えた所為か、強い眼差しは柔らかな瞬きで中和されておりその些細な気遣いの仕方も彼らしさを感じ、贈られる助言に応えるのと合わせて柔く微笑を湛えて見せ。)
――何の濁りもない、透明だ。見た目からでは水と何ら変わりはない、区別が付かない。それなのにこの香りに味、アルコール……質の違い、不思議なものだな。
(暫く、酒を酌み交わし程良く酔いも回ってくれば片手で頬杖を付いて猪口の中ほんの少し注がれた酒に対し、脈絡も無くそんな事を口走る程に思考は朧げ。火照る熱は感じるも顔色への変化はない性質のようで、意識もはっきりとしており彼の呼び掛けに視線を上げれば小突かれた頭を撫で付けながら多少普段よりも気怠げな口調ではあるものの薄く笑みを浮かべて、宣言通り彼の晩酌にとことん付き合う姿勢を見せて)
――起きている、…何だ 大分良い色に出来上がったじゃないか。まだ飲み足りないか?何か摘みを用意しようか。
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