匿名さん 2021-02-24 23:00:36 |
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(涼やかな風が吹いて、さわさわと葉の擦れる音が無事に外へ出られたことを鮮明に告げていた。膨らんだ丸い月は空高く、来店した時よりも幾分か深くなった夜。自分を縛るロープやテープを外して貰い顔を上げた瞬間、ふと視界が暗闇に包まれて彼の心音がすぐ近くで聞こえてきて。抱き締められ、相手が目の前にいることを実感すると堪えていた感情がじわりと競り上がり。相手の背中に腕を回しぎゅっと抱き締め返そうとし「紅葉さん……っ」とぽろぽろと堰を切ったように涙が溢れ。「ごめんなさい……、あんなに気をつけるように言ってくれたのにこんなことになって……」と自分を救い出す為に愛する彼をも危険な目に遭わせてしまったと相手を見つめ)
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