匿名さん 2021-02-24 23:00:36 |
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『は、な、なんだ……!? 何が起こって……!?』
(相手に威嚇する金髪だったが商店街の空気が一変すると、相手から視線を外して慌てて周囲を見回して。街灯の点滅とシャッターの開閉。まるで商店街が己の意志を持つようにけたたましく騒いでいるようで。あり得ない光景を前に睨みを効かせていた男達は、隊列を乱す兵士宜しくざわざわと恐怖を覚え始めていた。『な、なんだよこの商店街は』『知らねえよ、俺に聞くんじゃねえよっ』口々に気味の悪さを口にし、紅葉と楓から距離を取るように数歩足を引くと間髪入れずに少女の笑い声が響き。男達は一様にビクッと大きく肩を震わせる。一体何が起こっているのか、金髪は突如辺りがオレンジ色に包まれたのを感じ、振り返らずにはいられなかった。――どこからともなく現れた人々。夕暮れの商店街は建物や人々の影が伸びて金髪の目には不気味に映る。『なんだよ、なんなんだよ……っ』訳も分からず周囲を見回せば途端、一人の男の悲鳴が商店街に響き、金髪がそちらを振り向くと男の身体を通過する主婦の姿があった。それを体験した男は腰を抜かし、他の応援に来た男達も今や情けなく動揺が走って。金髪は相手の胸倉を掴もうとするが最早、そこに威勢のよさはなく紅葉に縋り付くようでもあり。自分でも意味が分からず焦るように口を開いては)
『な、なんだよ。これ。お前がやってんのか!?』
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