傍観者 2021-02-22 23:29:30 |
通報 |
ああ、そうだな...聞きたい事があるなら聞けばいい、俺に答えられる事は答える。俺も九条の話が聞きたいからな。
(彼は優しいから"わかっているから"と気遣う。次いで初耳だと言われ、ふと思えば彼と過ごしているなかで互いの話を積極的にしたことはなかったかもしれない。彼と出会う前は得る事も失う事も恐れて人間との関わりを絶ち塞ぎ込んでいたせいか一人でいる時間も多く、感覚が麻痺して会話がなくてもあまり居心地の悪さを感じていなかった。昔は人の事が知りたくてあんなに喋っていたというのに。きっと無意識に彼に嫌われないよう、ボロが出ないよう口を閉ざしてしまっていたのかもしれない。それは彼も同じようで、快く会話をしようと受け入れてもらえると沢山話せるこれからがあるのかと、少し嬉しくもあり苦笑いは柔い笑みへと変わって)
__さあ、早く帰ろう。夜に外にいるのは気が気じゃないし、お前があの家にいないと落ち着かなくてしょうがないんだ。
(立ち止まってしまった彼のもとに歩み寄ると、歳に似合わず留守番もできない子供のような事を言うと空いた手で彼の背を軽くぽんぽん、と押し首を傾げて顔を伺って)
トピック検索 |