少年D 2021-02-22 00:09:26 |
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>>32 / 轟 焦凍クン
( 彼が自らと同じ気持ちで居てくれることが、何よりの救いで。彼は自分よりもずっと他者から慕われていて、それなのに僕のことを、僕の存在を、忘れないで居てくれることが何よりも嬉しいことで。"ありがとう"なんて、今まで何度も他人から紡がれてきたのに彼の言葉だけはなんだか特別に思える。理由は定かではないけれど、言葉で明確に表すことは出来そうにないけれど、確かなことは自分にとって彼は特別であることに違いはないということ。自分が彼を特別だと思っているように、彼が自分を特別だと思っていてくれたなら、それより幸せなことなんてきっと世界中に何処にも見当たらない。引き離された手を名残惜しく思ったのも束の間、再び握られ感じる彼の温かな体温にじぃん、と心が熱くなるのを感じる。それから彼はまるで先程の自分を真似るかのように、此方の手を優しく引いて、柔らかな笑みを浮かべた。その笑顔にまた見惚れてしまいそうに__否、見惚れてしまって、彼から優しく紡がれた音色に聞き入って。子供の頃に戻ったみたいだ、でもあの時よりも僕らはずっと成長している。自らの身長は兎も角、心は大きく前進した、と言っても過言ではない筈。彼の格好良さにも更に磨きがかかっている、これでは卒業まで心臓が保つか不安にもなるけれど。心臓が破裂しそうになっても、もう離れられない。"縁"というものは見えない糸で繋がっている、だから離れ離れになることなんてない、昔母親が言っていたのを思い出した。今の彼女を好いている、なんてことはある筈ないけれどこの言葉だけは信用して良いと、そう思える。くす、と笑みを漏らして、彼の言葉に頷いて見せて。)
「…うんっ、!焦くん、ちゃんと僕についてきてね!」
( 何処か得意げにそう言って、再び彼の手を引いた。歩幅的に考えれば自分が彼に遅れを取るというのが自然なのだろうが、気分が高揚していることもあってそんな風に紡いで。徐々に暗くなっていく帰路に2人、駆け出す様は人によったら恋人同士に見えなくもない__?分からないが、ただこの時間を楽しめればそれだけで今は充分だ。永遠に此の手が離れなければ良いのに、なんてそんな風に強欲に求めてしまう自分はきっと格好悪い。…こんな格好悪い自分でさえ、彼は受け入れてくれそうだから、余計にタチが悪い。そんな彼のことも好きなんだけど。たったっ、と少しずつスピードを上げて駆け出すと、繋がる手の熱とは相反して冷たい風が身体に纏う。それを心地良く感じながらちら、ちら、と時折彼の様子を窺って。)
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