五条悟 2021-02-19 21:37:48 |
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隣に越して来た五条です。御挨拶、に……(扉の先から聴こえたのは何処か聴き馴染みのある甘やかな声だった。まさかな、なんて思いつつも頭の中用意しておいた挨拶を笑顔で口にしようとして――はたと止まる。惚けたまま固まる表情は、それでも目だけは大きく見開いてゆく。心臓はいっそ痛いくらいに脈打ち、喉からはひゅうと枯れた音が出る。…視界の先に居るお隣さんはずっとずっと、それこそ赤子の頃より探し求めていた‘親友’だった。特別な能力など無くとも目の良さは変わらない。魂が強く訴えてくる。彼は、彼だ。夏油傑その人だ。情報が完結しないとはまさにこの事で、現状を理解しても次から次へと疑問が浮かんで理解し切れない。なんで、どうして。その場で立ち尽くし手土産入れた紙袋をぎゅうと握り締めたまま、次に零れたのはまともに意味を成さぬ震える声だった。)
すぐ、る?… 傑、なんで、…
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