名無しさん 2021-02-14 16:54:18 |
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(俺も座ろうと、椅子に手をかける。すると、彼女がすうっと息を吸うからどうしたんだろうと目を留めた。俺を前にして緊張しているのか?じっと視線を向ける。彼女は手を組むと、ゆっくりと歌を紡ぎ始めた。この歌、確か。聞き覚えのある曲の正体を探ろうとしたが、すぐに魂が抜かれたように頭がぼうっとする。赤ん坊へ優しく語りかける母の歌声。ありもしない思い出が、脳裏に浮かび上がってくるようだった。彼女が歌い終わっても、俺は歌に身を預けたままで。しばらくしてはっと目が覚め、「あっ…素晴らしい歌声でした!」と立ったままやや荒っぽい拍手をして)
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