名無しさん 2021-01-12 19:16:08 |
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(普段から、いわゆる"まとも"と世間様に誇れるような生活は送っていない。それゆえに時間感覚もいい加減なものとなっていた。愛用の古びて煤けたバイクを飛ばし、ごく近場で24時間営業をしている大型スーパーマーケットに行ってみたが、服飾のフロアは暗く照明が落ちており、当然のようにまだ閉まっていて。開いているのは、食料品フロアとそれに申し訳程度に付随している文房具や生活必需品のコーナーのみ。
常識的に考えると当たり前のことだろうが、あくまで自分だけの感覚で生きている身にとって不条理にさえ感じられる帰結であり。内心、なんだよ、まだやってねぇのかよ、と悪態をつき。それでも折角来たのだから、何か他にも買った方が良いものはあるだろうか、とも考えてみるが、正直、服飾の類以外は思い付かず。食料品は、カップ麺や菓子パンがあればいい。文房具は……役所にあるだろ? 家では何も書かないだろうし。他の生活必需品だと……シャンプーとかもこだわりがあるようには見えなかったし、今のままでいいでしょ。
結局、何も買わずに踵を返すと、再度バイクに股がって。しかし、手ぶらで帰るのはな、とにかく服ぐらいはもう少し量があった方がいいだろう、と、そう思えば、交差点で繁華街の方へとハンドルを切り、これまた確実に閉店中だろうが、見知った女性の持っている店を訪ねてみることにして)
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(太陽の位置も大分高くなった頃。昼には早いが、そろそろ先のスーパーマーケットに内包されている店舗もほぼ全てが営業を始めているのではないだろうか。愛車の荷置きにくくりつけた段ボール話には、知り合いの汚部屋暮らしの女性から "この辺ならいらない" と譲り受けた幾つかの洋服が入っており。彼女は常に足の踏み場も危ういほど散らかった部屋で過ごしていながら "汚部屋暮らし" と指摘すると怒る。自分に言われたくない、という話のみではなく、いわく "あたしはゴミは溜めてない"、"服も踏むような場所には置いてない。積んでるだけ" らしい。
確かに汚部屋と言っても、物が散らかっているだけで、匂いがまずいとか虫が徘徊しているわけではないので一理はあるのかもしれず、結果として、貰った服もシワこそ付いて、よれた感じはするものの、不潔といった雰囲気はなく。ついでに "女の子?じゃあ…" と衛生用品も分けてくれた。自分では全く気付かなかったところなので、少々感心してしまった。そういったことを回想しながら、バイクで走っていけば、自宅に帰りつき。
愛車を停めた後、途中のコンビニで買い込んだ菓子パン入りのレジ袋も片腕に通し、その腕で段ボール箱も脇に抱えると、見慣れた扉の前まで移動し。がちゃがちゃと鍵を開ければ、室内に足を踏み入れ、一応、何処と言うわけではなく、家の中に向けて「……帰ったぞぉ」と言ってみて。段ボール箱をそのまま玄関の隅に置くと、靴を脱ぎ "さて、あの子は何処に行ったかな" と思いつつ、キョロキョロと辺りを伺い。
浴室にはいなさそう。電気が消えているし、気配もない。よって、そこは素通りし、いつもの居間を覗いてみるが、そこにもいない。となれば、最初に紹介した奥の部屋か。若干程度軋む、キッチンに面した廊下の上をゆっくり歩くと、辿り着いた奥の部屋を覗いてみて)
……名前なんだったっけ? とにかく、いるか?
(/長文失礼。PL発言への反応は追って送信させて頂きます。)
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