名無しさん 2021-01-12 19:16:08 |
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4回、5回……。まるで借金の取り立てのように、おばのインターホンを押す指は止まらない。この時間って伝えてあるのに、と段々と苛立ちを露わにするように片足を小刻みに動かしながら、中からも似たような声色が返ってくればようやく指の動きが止まる。扉の向こうから聞こえたのはあからさまに不機嫌そうな男性の声。反射的に菫は擦り合わせていた唇を引き結んだ。
数分して中からこちらに向かってくる足音が聞こえた。鬱陶しげに伸びた前髪の隙間、感情を消した空虚な目がドアノブの動きを認めると、菫は足元のコンクリートを見つめるように俯いた。下を向くと、フケのついた頭頂部が丸見えである。
おばはやっと出てきた相手を上から下まで不躾な視線で見ると、嫌味たっぷりに大きく息を吐き、「そう、コレ」と菫の背中を押すように叩いた。それほど強い力ではなかったものの、枯れ木のように痩せ細った身体は小石に躓くようによろめいて、男性と一歩の距離を空けたところに踏み止まる。
「謝るしか能がない穀潰しさ。礼儀知らずにも程がある。アンタなら面倒見る嫁も子どももいないだろ。丁度いいよ、似た者同士」
(/こんばんは!何だかとても失礼なおばですみません。開始早々嫌な雰囲気過ぎますね。ここで勝手に退場させようか迷ったのですが、おばに言わせたままなのもアレかなと思いまして。おばは「この子を宜しく」とかもなく、これで預けたつもりなのでお役御免です。次のコメントで邦鷹さんから言いたいことがあれば言って貰って、なくても退場させて頂ければと思います……)
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