今宵も月下の華が咲く

◇世界観◇

魔法というものが存在しない世界エアロディーレ。地球とよく似た大陸が存在し、国も大きなものから小さいものや島国もあってゆうに100を超えている。その国々は個々で独自の文化を持っている。そんなエアロディーレには世界共通認識の存在がある。「ソレ」を是とするか非とするかは人によるが、それでも「ソレ」を生み出してしまうのは同じ人であることは紛れもない事実である。




◇月下美人(ゲッカビジン)◇

とある条件で現れるとされる謎の店。店主一人で切り盛りしているが、その素性は一切不明である。月下美人に訪れる客は老若男女さまざまで、その目的は共通しているようでバラバラ。そうして月下美人で目的を果たした客は「ソレ」となる。
この店が提供しているものは「願い」「望み」という人間の《欲》である。その《欲》を満たすことができるのだが、それには《欲》と同等かまたはそれ以上の代価を支払わなければならない。代価は客の《欲》によって違うが、その代価を支払ってでも満たしたい《欲》が客にあるのだろう。だが、一部の客は己が支払った代価によって《欲》を満たそうとしたことを後悔する者もいるという。




◇月華人(ゲッカビト)◇

月下美人にて代価を支払い《欲》を満たした客の俗称。世界共通認識の存在の「ソレ」である。《欲》を満たした証となる『月下美人』の花の痣が体のどこかにできる。その花の痣からこの名を呼ばれるようになっている。世界認識としては代価を払ってまで《欲》を満たした《強欲》な人間と思われているため、あまり好まれていない。時には侮蔑な言葉を投げかけられてしまうこともある。それ故に彼らは痣をひた隠しにして暮らしていることが多い。




(/しばし待たれよ)