欲深きユダに賛美歌を《戦闘/一部キャラ制限あり/オリジナル》

"単語解説"

『賛美の都』
元はワシントンと呼ばれた都市。但し度重なる地盤沈下や自然災害によりライフラインは完全に立たれており、蝋燭の光が点々と光る荒廃した都市となっている。最もこんな有様でもこの世界においてはかなり治安や質はまともな方であり、アメリカにおいてもこの都市以外は最早街とすら呼べぬ程に荒れ果てている。自警団を形成する者や略奪者など数多の住民が生息しているが、基本的に物々交換を主流として一種のコミュニティを形成し暮らしている。価値の順としては食料＞銃火器＞衣服＞燃料＞金品といった所。

『キリストの骸』
かつてユダヤ教を批判した末に処刑され、後に生き返りキリスト教を築き上げたイエス・キリストの骸の事である。キリストが死去したその日から残された奇跡の御業を宿す結晶であり、遺体を一つにすればあらゆる願望を叶える代物となる。その場に纏まってあるだけで世界の理を崩してしまうが故に遺体は一つにとどまらず、耳や腕、眼球、或いは耳といった人体のパーツへと別れ、あちこちに点在していると言う。今のこの世界の惨状も、遺体を手にした物が願ったが故の世界なんだとか。
賛美の都に蔓延る根も葉もない噂の1つ、しかしながらその骸は実際に存在しており、真実を知るものはこれを奪い合い、殺し合いの日々を続けている。中でも右腕、左腕、右脚、左足、心臓は極めて重要な部位であるらしく、所持者は対応する箇所に十字架の烙印が刻まれる。心臓のみ胸の中央に浮かび上がる。但し烙印以外に変わるような所は特にはないらしく、あくまで印のようなものらしい。
遺体は肉体と同化し、全ての遺体を集めることで収集者の肉体は聖人のそれへと変化してゆく。やがて完全に聖人へと生まれ変わることで、内に秘める骸の解放と代償に、それがこの世の理と矛盾していない限りはあらゆる願いを叶えるのである。但しそれが叶えられない願いであった場合、一片の骸を残して骸は彼方へと消えてゆく。また肉体と同化した骸は先程述べた願いが叶えられなかった場合と、所持者が死亡した場合を除き分離することは決して無く、抉り出されようと切り落とされようと骸は元の所持者の元へと帰ってゆく。
また聖人の肉体を宿すと老化がその段階で止まる他生命力、身体能力といったあらゆる能力が飛躍的に上昇し、『奇跡』と呼ばれる武具を呼び出すことが可能となる。

『奇跡』
賛美の都に住まう人々が縋る空虚なもの。しかしながらキリストの骸を持つものにとってはその意味は大きく異なる。
内に奇跡を秘め、持つものに第二の奇跡を内包させる武器であり、形は剣であったり弓であったり銃であったりと様々。普段は体内に内包されており、いざと言う時は己の体から引きずり出すことが可能。また骸の探知機のようなものでもあり、骸そのもの、或いは骸を宿すものが近づくと光を放つ。骸に宿るものではあるが、骸を2つ手に入れたとしても呼び出せる奇跡は1つのみ。これは骸が融合し、1つの骸として生まれ変わってしまうが故に起きる現象となっている。また奇跡は骸の数に比例せず、例え骸を100集めたとしてもその奇跡の力は1の時と何ら変わらない。これは本来合わさることの無い骸が合わさるという出来事に対応すべく、各骸がその奇跡を全て合わさるその時に向けて抑え込んでいるから。故に骸を9割有していようと、数以外に優位性が発生することは決してない。奇跡は万人に平等である。
内包する奇跡と所持者に与える奇跡は互いに干渉せず、仮に奇跡本体が『烈火』の奇跡を内包していても所持者はその烈火を己の肉体から出すことは出来ず、所持者に『伸縮』の奇跡が与えられても、その奇跡を付与した武器側が伸縮することは無い。


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