これは……傷を見せてみよ。捨て置けば致命となるやもしれぬ。 (傷を見れば微かに息を詰まらせ、その巨体を跪かせると生来の赤い瞳が傷を凝視して。) 望まぬならば、言うとおりに立ち去ろう。だが、そなたをこのまま看過し去ることは出来ぬ。 (石炭の鉱石を思わせる、黒く逞しい顔が苦悶に満ちたように険しくなったかと思えば、覚悟を決めたように顔を上げて目を合わせ)