幽霊の彼女。 2020-11-29 03:05:07 |
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えぇ、有一郎様は、自慢の弟だ。とも、仰っていました。(恐らく、彼と彼の兄は仲違いをしていたのだろう。何処かばつが悪そうにして言った言葉を告げては、何故だろうか。何処か懐かしい気持ちになってしまい、未だに会えない兄を思い出して。自分が幽霊であることは認知している。だが、夜が明けたらどうなるのか。それさえ分からず降りてしまった人間界であったが、温かくなっていく手を一瞥しては共に空を見上げ。「ですが、夜が明けたらどうなるのかは、私にも分かりません。今のうちに、屋敷に行きますか。」きらきらと輝く星と、大きく登った満月を見ながらそう告げては百合の香りを孕んだ風が二人の間を通って)
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