真夜中のピエロさん 2020-11-25 19:58:38 |
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『………』
拳銃を突きつけられた少年は一瞬だけ驚いたかのように若干目を見開くが口許の微笑は崩さぬまま、何の興味も示さないようにゆっくりと瞳を伏せた。「はは!そいつを生かすも殺すもあんたの勝手さ。好きにしな。」男達はその様子を笑いながら眺め、踵を返して舞台袖の方へと戻っていく。『……この世界に神様なんていないんですよ。ここで死ぬならそれがぼくの運命ってだけです。』少年は初めて口を開き、鈴が鳴るように美しくも教会のパイプオルガンのように荘厳な響きを持つ声を漏らすと一際静かに微笑んだ。
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