匿名さん 2020-11-18 13:04:59 |
通報 |
>ロイズ=ヴェルディ
_... ねぇ貴方 ,家がないの ? 凄く震えてる 。 今にも凍え死んでしまいそうだわ 。
( 雲が空を覆いつくして ,しん 〃 と雪が降り続く 。 冷たい冷気が自身の頬を撫でては降る雪が傘で塞ぎ切れない肩の端に積もり行く 。 はぁ ,と白い息を吐いて煙の様に消えていく白を目で追った 。
自身の祖母の葬式からの帰り道 ,ふと道の端に視線をやれば薄い毛布を身に纏い異常な程に震えている貴方の姿を目に捉える 。 何を思ったか ,コツ 〃 とブーツの踵を鳴らし乍貴方の元へと近寄れば貴方の上に傘を翳す 。 貴方に容赦なく振り掛かっていた雪はその傘で遮られて今度は自身の白銀の髪の毛の上にひらり 〃 と雪が降るばかりである 。 そうして貴方をガーネットの瞳で見詰ると緩急の無い声色で上記を呟いた 。 どんなに自身に雪が降り掛かってもさも気に成らないと云った様子 。
この状況 ,貴方の容姿から察するにきっと孤児だろうか 。 孤児院から出てきたのはいいけれど身寄りも仕事も金も無く路上生活 ,そんな子は今迄に何人も見て来たのだが自身でも何故か分からない 。 この子に他とは違う , 何とも形容し難い感覚を感じて仕舞う 。
そうだ ,この子にしよう 。 叔母が死んで自身の手に落ちた屋敷の管理下 。 でもきっと主人が吸血鬼とバレて仕舞えば吸血鬼ハンターは屋敷ごと自身を壊しに来る 。 そうなれば叔母が身を挺してでも屋敷を守った意味も ,何もかもが失われてしまう 。 そんな状況を回避する為にこの屋敷の表立った人間の主が欲しいと思っていた所だ 。 序に態々街にまで出向いて人間を襲う必要も無くなるとしたら一石二鳥である 。 すぅ ,と小さく息を吸うと真っ直ぐに貴方を見つめたままに ,
〝 丁度表の主人が欲しいと思っていた所だわ 。 人間 ,取引をしましょう 。 私は貴方に衣食住を与える 。 それはきっとこの先 ,生きるのに困る事はもう無くなると云えるわ 。 その代わりに貴方は私に_血を捧げなさい 。 〟
と ,そう述べて見せた 。 断ることは無いだ何てそんな確証はない 。 だから決して目は逸らさずにじっと見つめたままで 。
〝 ねぇ ? 悪い話ではないでしょう ? 〟
ふ ,と口角に緩く三日月を描き ,変わる事の無かった声色が優しく ,でも何処か試す様な声色に変わるのが分かる 。 同時に固まった様に動かなかった瞳をも細め ,まるで小さな獲物を前に勝ちを確証した動物みたく余裕そうな笑顔を浮かべた 。 しかしこれは勝ちの確信故の笑顔ではない ,貴方がどう考えて ,どう自身に返答するのか 。 それを楽しみにしている様だった 。 )
( / 遅れて仕舞い申し訳ないですッ ,読みにくい様でしたら申し訳ない .. !! )
トピック検索 |