水沢 透 2020-11-14 22:37:24 |
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……、なんか楽しそうにしてんなぁ…。
(弁当を食べながらチラチラと相手のいる席に視線を投げては様子を盗み見て、女性陣は相変わらずキャッキャと嬉しそうに笑ってはまるで媚びをうっているようにしか見えず何だかんだと談笑して昼休憩を過ごす相手にはやはり女性にもてはやされるのも満更ではないのだろうとモヤモヤした気持ちながらも仕方ない事だと自分に言い聞かせるように自問自答して、休憩の終わる時間が近づけば席を立つ相手の姿に自分もそろそろ戻ろうとやるせない気持ちのまま思い腰を上げてのそのそとフロアへ戻ろうと通路を歩いていると、その途中でツンツンと肩をつつかれ誰かと振りかえればそこにはにこやかな笑顔を向けてくる佐倉井の姿があり)
佐倉井「結城さんお疲れ様です。今戻りですか?」
結城「ああ、お疲れ様…」
佐倉井「なんだか元気がないですね、大丈夫です?昨日の件まだ引き摺ってるんですか?」
結城「いや…別にそういうわけじゃないけど…」
(意図せずとも普段の覇気がない自分の様子に少々心配した面持ちで問い掛けてくる佐倉井に歯切れ悪く答えれば、そんな自分の気持ちを読み取るかのように)
佐倉井「………、水沢さん、昨日のあれには驚きましたね。みんな言ってますよ?普段の優しい雰囲気とは違っていざとなったらガツンと言えるあのギャップが凄くかっこよかったって。それで一気に女性の心鷲掴みですよ。さっそく水沢さんの気を惹こうとあれこれ策を練って言い寄ってくる女性社員が絶えないですもんね?」
結城「……」
(その話を無言で聞いているも面白くなさそな表情だったのは無意識で、なにやらそれを楽しそうに見ている佐倉井に気付くと何か悟られそうでフイっと顔を背けるとそのまま男子トイレへと逃げるように入っていき)
佐倉井「ふふ、分かりやすいなぁ。」
(今起きている事態は見たまんま理解しているつもりだったが改めて他人の口から現状を突き付けられると更に心を抉られるようで苦虫を噛んだように顔をしかめれば大きく溜め息をついて。トイレの鏡で自分の顔を見つめれば両頬をパンッと叩いて「っ…、気にするな。これは水沢にとって良い傾向なんだから!」ぐっと表情を引き締めればウジウジした自分を封印するかのように渇をいれて、これは相手にとっても転機なのだろうといい方向に思考を持っていけば直ぐ様フロアへと戻っていき自席に着くなり無心で午後の業務を開始して)
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