匿名さん 2020-11-11 20:35:17 |
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ーー 数分後。眠ってしまった部員達を起こそうと主将が立ち上がり、一人一人に声を掛けていく。直ぐに目を覚ます者もいれば、眠たそうにする者も。起こされた影山は、多い荷物を持ち青葉城西の体育館へと歩き出す。
「 …絶対、勝つ。」
独りで呟いた言葉が部員全員に聞こえたのか、怪しげな笑みを浮かべ頷いた部員達。やる気は充分、そう体育館の重たい扉に主将が手を掛ければ先に扉が開いた。
「 飛雄ちゃーん!及川さん待ってたよ、大きくなった~?! 」
騒がしい声量に影山へと食い付く相手、それは青葉城西の主将及川徹だ。ぎゅうと影山に及川が抱きつけば、月島の眉間に皺が寄る。不満そうに影山のジャージの袖を引っ張れば、冷たい視線を及川に向ける。
「 王様の居場所は此方なんで、放れて頂いても良いデスカ?ファンの子が待ってますよ? 」
黄色い声、それは及川のファンの声。ファンのことを言われてしまえば及川は何も反論できず、肩を下げて体育館の中へと入り。其処についていくように体育館へと入った部員達は、周りを見渡し乍ポツポツと発言を落とす。
「 さすが強豪だな!影山! 」
「 …眠い。」
「 ツッキー頑張って! 」
皆の発言を聞き乍、挨拶の為澤村が青城の主将と監督に近寄る。深々と御辞儀をすれば、改まった表情で口を開く。
「 これから宜しくお願いします! 」
その挨拶を聞けば、及川が不適な笑みを浮かべる。あははと軽いような笑い声に聞こえるが、笑みは怪しくとても不気味だった。
「 IHみたいに、ぼこぼこにさせてね!それと…飛雄を返してもらうから。」
及川徹は、敵・味方関係なく成長させてしまう選手。そして、敵・味方関係なくやる気にさせてしまう選手だ。
>続く( 三章 及川徹という選手 )
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