魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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!、……会ったことはあるが、今のお前とまともに話すのは初めてだ。俺が知っているのは……最高最善の魔王だけだ。
(相手の言葉に胸の中が期待で満たされる、もしかしたら思い出すかもしれない、忘れていないかもしれないと根拠の無い希望が溢れた。その溢れる気持ちは押さえられず、相手に詰め寄ると再度両肩を掴んでその瞳と目線を交わす。しかしやはり違う。この瞳は昨日あの公園のベンチで視線を交わしたものとはまるで違った。期待は落胆へ変わる、その思いが顔に出てしまう前にグッと腹の奥底で感情を留め仏頂面を保った。そもそも本当にこちらのことを覚えているなら朝廊下で声をかけた時にあんな反応はしないはずだ。今だってこちらを呼ぶ声にはなんの思いもこもっていない。こんな状態の相手に2人は王と側近の関係だと、ましてや恋人なんだと言えるはずもない。そんなことをしたって余計に混乱を招くだけだ。今度は自ら掴んでいた手を離すとゆっくりと一歩さがる。無理やり抱きしめて口付けすれば思い出すかもしれないと絵空事を描くが、そんなことをすれば今のソウゴが自分から離れていってしまうのは目に見えている。胸が軋むが今は最初から関係を築くしかない。分かっているはずなのに、その右手は強く握られ行き場のない感情が洗われており)
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