魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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っ、……___ソウゴ……
(自分の敗北を知られないようにと随分自己中心的な思いでその場を離れようとした所でそれをさせまいと腕が伸びてきて向こうへと引き寄せられる。それは強引と言うよりかは必死さが伝わる力のこもりようで、後に聞こえてきた寝言によって確信的な思いになる。一瞬上手く呼吸ができなくて息が詰まる。ようやく上手く肺を動かせるようになって大きく息を吐きながら引き寄せられた腕のうちに収まりつつ、こちらからも腕を伸ばして相手の体を引き寄せた。思えば相手のことはまだ何も知らない。この時代のことを思えば大叔父と暮らしているのはかなり特殊な例のはず。変わり者ではあるがこいつは決して我儘を言わないし、自分よりも他人が優先だ。そんな奴が心の内に秘めた願いがどんなものであるか、想像したこともなかったがしれない。相手の様子をみるにきっと先程のものは寝言に近い、つまり本音に近い言葉なのだろう。寝ぼけていても自分を求めてくれる姿が愛おしくて、そしてこの恋人の傍にいる人間があまりにも少ないことを思い知らされる。その想いに答えるように、逃げ出そうとしと体を戻してピタリと寄り添わせるとまだ夢の中にあるだろうその後頭部を優しく撫でる。まだまた相手の知らなければならない面は多そうだ。柔らかな髪を撫でながらその寝ぼけた顔をしばらく眺めていて)
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