魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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……ん、……行かないで、
(戦闘をするようになって以前に比べそれなりに体力が付いたとはいえ普通の高校生である身だ。朝から夜まで文化祭に参加して満喫した上に慣れないこともしたとなれば随分と疲労が溜まっていたらしい。いつもよりも深く眠りについていれば相手が起きたことにも気付かないまま規則正しい寝息を立てていた。改めて相手が自分にとって大切な存在だと痛感した一日だった。幼い時に王様になるという夢を持ってからは皆は平等に守るべき「民」であった。無意識に引いたその一線のせいかこれまでに自分の身近にいた大切な存在は両親と引き取って育ててくれた大叔父くらいだ。そこに新たに相手の存在が加わった。すっかり一緒に寝るのが当たり前になった存在。そんな相手の身体が離れ、共有していた熱が遠ざかっていく。ある日突然事故で居なくなってしまった両親みたいに。ふと目覚めた朧気な意識の中で大切な物が無くなってしまうような寂しさに襲われる。また消えてしまうのは嫌だ。無意識に離さないよう相手の背中に回していた手で強引に引き寄せて腕の中に納め、縋るように呟いて)
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