魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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……そうだな。誰にもお前を奪われたくないし、お前の隣には必ず俺が居たい。お前がいない生活などもう考えられないからな。こっちこそ誘ってくれて感謝する。おかげでこの時代の文化に大いに触れられたし、お前のことをもっとよく知れた。
(少し前なら一言目に出るのは照れからくる否定の言葉だった。しかしいざ相手が誰かに取られそうになったのを目の当たりにして、自分の中の相手への気持ちがもう言い逃れ出来ないほど大きくなってしまったのを自覚している。一呼吸だけおいて肯定の言葉がすんなりと口から出る。こうも自分の気持ちをスラスラと言えるようになったのも相手のおかげで、そしてこんなことを出来るのは相手の前だけだろう。そう確信できる程に相手はもうなくてはならない存在だ。その思いを示すように相手の額に口元を寄せて軽く口付けた。倉庫の外からは後夜祭の音が聞こえてくる。間の抜けたミュージックがかかっているあたりもうフォークダンスが始まっているらしい。たった一日のことだったがもうすっかりこの制服にも慣れてしまった。この学校も隅々まで歩き回って今体育倉庫に隠れているとなればすっかり生徒になった気分だ。相手と同じ高校生になってより恋人の思考も理解できた気がする。これから歩んでいくこの時代をより知って、相手が目指す理想の世界にまた少し寄り添うことができただろうか。心地よい疲労感と相手の温もりにまだ浸っていたいがこのままでは眠ってしまいそうだ。相手の顔を覗き込み、そろそろ出るかと顔色を伺ってみて)
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