魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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いや、問題ない……行ってこい。
(先程頭に過ぎった無用な心配が現実になっている。誰かに想いを伝えたいと色めき立つ空気、相手へ一大決心をして近づく姿、想いを絞り出す声、彼女が何をしようとしているのかその方面に疎い自分にさえ察しがつく。誰かに想いを伝えること、それは決して否定できるものでは無い。それは自分も苦労して長い時間をかけて成し遂げ幸せを感じたものだった。他人が同じことをしようとしていのを止める必要はない、だがそれが自分の恋人に向けたものともなると一切を切り捨てさせることなどできなかった。それに相手がこの状況で目の前の女子生徒を門前払いできないのはよく分かる。他人の想いを汲み取り抱えられるのは相手の長所なのだがら。こちらを見つめる目線にこちらの目線も交える。とっとと行ってとっとと戻ってこいと、堂々と言えれば良いのに、僅かでも発生した相手がこの手から離れてしまうかもしれない可能性に平常心が揺さぶられる。そのまま去っていく相手を見送ったが情けないことに心は落ち着かなかった。この場を2人が去った後、女子生徒の取り巻き達が色めき立ちながら2人が向かった先へとついて行く。余計なことをしでかすかもしれない、そんなふうに言い訳をしてそっとその集団のあとをおい相手のもとへ向かった。呼び出した女子生徒はというと暫く話を切り出せずにいた。そして関係者がそろい踏みしたところで口を開く。曰く去年同じクラスで無くし物をして困っていたところを助けてくれたこと、同じ化学の授業で一緒に実験をしてとても楽しかったこと、クラスから校門までの短い時間でも一緒に帰れて嬉しかったこと、そんな日常のありふれた風景のなかで常磐ソウゴに惹かれたようで、最後には「常磐くんの事が、好きです!」と一世一代の告白を告げて)
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