魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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別にやっていいと言ったわけじゃ……おいっ!
(こちらが拒否しなかったのをいい事に未来の約束事のようにされてしまう、残念ながら制止するのは間に合わなかった。前までなら調子にのるな、と一言言ってやればこの流れを強制的に終わらせることができたのに、今や相手のペースに巻き込まれるどころかあんな勝手な行為さえ受け入れてしまっている。甘くなったものだと自信にため息をつきながら忙しなく屋上を出ていく相手に軽く手を振っておいた。1人になると暫く屋上の風にあたってからゆっくり立ち上がり文化祭の喧騒へと戻っていく。一人で制服を着て歩き回るのは多少居心地の悪さがあったが外部の人間も多いおかげでそこまで悪目立ちはしなかった。時間つぶしにダンスやら演奏やらが行われていたステージを遠目に眺める。だが心は恋人が開いているという喫茶店の方に向いていて、早くその姿を見たいと思いが募るばかりだった。)
………………
(店番の開始時間より少し間を置いてから喫茶店、一歩足を開いて驚きで目を見開いてしまった。女子はメイド、男子は執事の格好をした部屋の中はなかなかの異空間だ。大半の男客はメイドが目当て、逆に女客は執事が目当てといったところだろう。店全体がどことなく色めきだっていて、これを普通の喫茶店とは呼べなさそうだ。暫く店内を見回すが相手の姿は見つからない。時間を間違えたかと思ったが、今しがた席に客を案内し終えた執事の姿を見て心を掴まれる感覚に襲われる。そこに居たのはまさしく自分の恋人だ、髪型を変え燕尾服に身を包むとこうも印象が違うとは。馬子にも衣装だな、なんて言ってからかってやろうかと思っていたのに。普段とかけ離れた雰囲気に体を固めてしまうと、ただ相手の方を見ることしか出来ないでいて)
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