常連さん 2020-11-01 01:07:10 |
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>逆田
(状況の把握と速やかな掌握、生き残りこれからも殺し続けていく側の“理”―― 一つでも欠けてしまえば容易に死が訪れる裏の世界での命のやり取りに於いてこれは致命的だと言えるだろう。こういう窮地には何度も遭って来たし、その度に乗り越えてきたという自負が脂肪の様な僅かな緩慢さに繋がっていたと彼女は自己評価を行う。)
……ふふっ
(唐突に深手を負った黒服の女は小さな自嘲気味な笑いを一つ。無表情で機械的、血の気が失せつつあったせいで余計にそんな気が強かった彼女は漸く“人間らしい”感情を表わす。――目の前の黒髪ショートの少女に向けている自身の得物、黒塗りのSVインフィニティは遊底(スライド)が後退し切り、ホールドオープンの状態、即ち残弾無し…弾切れを示していた。相手が多少なりこの手の銃器に関して知識があるのならば滑稽に思えたに違い無い。)
私も…焼きが回りましたか。
(普段あらば絶対に起こさないと言えるスケッチめいたミス、――あるいは其処まで考えが回らない程に感覚が麻痺し始めているのかもしれない。)
チャッ(片手で構えていた拳銃を手放し落とす)
(柔らかい草々の上に音も無く、構えていた既に弾の入っていない得物を落し――血の気の無い俯き気味の顔を上げて改めて目の前の少女を見据え)
―此処は、とても静かですね。それに……温かい。まるで夢の中の様に
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