名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
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いつも少しだけ僕を見上げる形で、よく喋るだろう。それが親鳥に餌を強請る雛鳥と重なる時が偶にあるんだ。それと小鳥は綺麗な声で囀ってる。ルカの声も心地良くてよく響いて、何かしていても耳を澄ませていたくなる。蛇だとしてもアダムとイブを唆すより自分で知恵の実を全部食べ切ってしまいそうだよな。ん、そうか。
( こればかりを強調しても喜びはしないだろうから控えめに、否控えめなつもりで伝えてみた細やかな話。そう、彼の発明の完成への願望を止められるものは皆無。猛禽類に襲われようが強風に煽られようが、真っ直ぐに鳩舎を目指す伝書鳩に喩えた方が適切だっただろうか。蛇は宗教上で悪とされている、然し恋人は最初の人類を失楽園させる役割を選びそうにない。何故って彼こそが知恵の実そのものに違いないのだ。耳触り良く本心を巧みに隠す彼が垣間見せる素直な姿勢。今我が腕の中で安らぐ彼の体温。心を曝け出して擦り寄る光の子。多くは返さず更に強く深く密着させ )
防寒具…か。マフラー、いや帽子?作業で使うグローブとはまた別の手袋。ルカはミモザのようなイエローが似合う気がする。お揃いならそれを身に付けて自慢しに行きたいな。───ル、カ。ッあ、ルカ、ルカ。
( 普段頭部を保護しない恋人に被せてみたら意外と洒落ていて可愛いかもしれない。襟元から包帯が覗いたままの恋人の首を柔らかく包んでやれば作業の邪魔にはならなさそうだ。気の毒な程に冷えて霜焼けまで拵えないようにと手を守ってやるのも義務だと思える。ダークトーンの服装が常である彼にせめて一箇所だけでも明るい色を添えてやれたとしたら?気休めにしかならなくても彼本来の魅力を引き立てるたった一つが欲しい!想像だけで待ち遠しくなるクリスマス、信仰云々は抜きにしても恋人が喜ぶ様相を目の当たりにしたくて堪らない。動きを封じられた瞬間の驚きで不随意にビクッと震えが生じるも、恋人の乾燥していながら柔い唇から甘い甘い毒を分け与えられる度に脳細胞や神経細胞の全てが"彼"に侵蝕され、合間には恋人の名を吐息混じりに口にして更なる甘美な毒を求め )
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