名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
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本当にざっくり言えばな、機会があれば太陽系に関する講義でも開こう。…ん?本当だ。ここまで近寄って来るのも珍しい、人に慣れてるんだろうか。……可愛いなあ。
( 堂々と開講を宣言しつつも、胸を張って教師を名乗れるほど自惚れてはいない。知識を分け与えることが自己満足に過ぎないと理解しつつ止められないのは、彼の学びに対する従順な姿勢を心から愛しく思うが故に。思えば現在の関係に落ち着くより以前も、想いびとが内側から自分の色に染まる過程を無自覚に楽しんでいた節がある。今後も科学の先達者として──或いは恋人として、沢山のことを教えよう。密かな企てを胸に、ふと逸らされた視線の先を目で追って。マロニエの枝に遊ぶ駒鳥の姿を捉えるも、それに意識を向けていたのはほんの数秒。先ほど胸中を占めていた陰鬱はどこへやら、今は彼の横顔に視線を、更には心を奪われている。小鳥を見つけて身を乗り出すさまがいとけなく、恋人の純朴に意図せず頬を緩めてしまったことは許されたい )
ほう?そうなのか。それは…おっと、ふふ。確かに温かい、暖炉に手を翳すよりずっといいな。暫くそうしていてくれ。
( 実の所、この手が温かろうが冷たかろうが然したる問題にはならないのだ。人肌から伝う熱を恋しく思い、ささやかながらも恋人との直接的な触れ合いを求めているに過ぎない。何らかの革新的技術により手のみならず全身を即座に温める選択肢が存在したとして、叶うなら自分はこの非効率的な手法を選びたい。愛情の偉大さを噛み締め、脳下垂体から都合よく分泌され始めた神経伝達物質によって幸福感に浸り )
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