名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
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ああ、必ず成し遂げる。君の望みも背負ってるなら尚のことさ。だから、あの発明が実現したら…一緒に祝杯を挙げよう!君が世界じゅうの何処に居たって容赦なく呼び付けるぞ、なんなら迎えに行く。覚悟しておけよ。
( 再び交わった視線から憤りや悲哀は感じられない。先刻とは打って変わって清々しさを胸に抱き、明るい語調と共に首肯。無二の理解者に希望を託された今、完全に退路は断たれた。辺獄への片道切符を握ることになろうと構わないのだ、思い描いた発明を完遂出来さえすれば。徐に立ち上がり、明日には全てを忘却するとも知れない頭で無責任な未来を放言する。友人の肩に気安く腕を回したかと思えば、その手で二、三度背を叩き )
いやあ…君がそれだけ料理に対して興味を持ってるなんて知らなかったな!シェフかパティシエにでもなれそうな勢いじゃないか。何はともあれ、期待してるよ。私からあれこれ指定はしないから、君の考えるケーキを作ってくれたらいい。
( 流石に無理難題を押し付け過ぎたかと反省しかけたのも束の間、自信に溢れた快諾とぎこちない微笑ににんまりと笑みを敷く。もし済まなそうに断られていたのなら、恐らく此方が罪悪感に駆られていたことだろう。率直に述べると、この献身的な友人が料理に精通しているとは考え難い。簡単な軽食であれば一人でも拵えてしまえる筈だ。無論、ケーキなどという多少なりとも技術が必要な品なら話は別だが。他者に頼らざるを得ない状況を作り出した事実が吉と出るか凶と出るか、預言者のような天眼を持たない以上は神のみぞ知る。理想的な帰結といえば、彼が仲間の為と洋菓子作りに挑むような情の厚さを持った人物であると伝わること。秘めた計画の成功を祈りつつ、無情にも課題の自由度と難易度を同時に吊り上げ )
勿論、構わないとも。発明は常に己と時間との戦いだ、一時とはいえそこに第三者が介在することによって張り合いも出る。──私"は"楽しみにしてるぞ、クレス君。自分の研究に関心を寄せる相手がいるのは、結構気分がいいものだからな。
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