名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
通報 |
おいおい、コーヒーなんてそんなものだろう。少なくとも、私が塀の中で口にしていたものよりはよっぽど上等だぜ?カフェインとグルコースの補給をいっぺんに済ませられる優れものだ。
( 咳き込む相手に気遣うような視線を向けつつ、獄中で口にした如何とも形容し難い液体を回顧。合衆国のコーヒーをさらに数倍薄めたような飲み物は、見てくればかり黒々としていた。あんな泥水まがいとは比べるべくもない、これは立派な嗜好品だ。良質だとは世辞にも口にできない、しかしながら己にとっては理想的な飲料を二度三度と飲み下し )
人間、その気になればなんだって食べられるぞ。人体に有害な物質を除けばな。どこの国だったか、蛆虫の湧いたチーズを敢えて口にする地方もあるくらいで──ああ、話が早くて助かる!私の食が細いのは知ってるだろう、君も。
( 飢餓状態に陥った時、生理活性物質を求める人類の本能。そうした無差別なエネルギーの摂取は別としても、決して馴染み深いとはいえない食文化が世界には数多存在する。有用性の薄い情報を記憶の底から引っ張り出し、適当な例として提示。重要な理論も計算式も、このくらいすんなりと引き出せたなら。心持ちが憂いを帯びそうになった所へパンを差し出され、そのまま横道に逸れそうになった意識を食卓へ戻す。受け取ったそれを一旦手元のトレーに置き、ナイフを手に件のチーズを器用に切り分けながら話を続け )
トピック検索 |