名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
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さて…せっかく注文通りの品を淹れてもらったことだし、冷めないうちにいただこうか!──ああ、うん。良い感じに甘いな。
( 湯気と共に独特の香りを薫らせるカップを手に取り、揺れるダークブラウンに口を付ける。特有の苦味の中に溶け出した砂糖の甘味からはちぐはぐな印象を受けるが、なかなかどうして悪くない。元来甘党ではないものの、味覚を刺激する甘苦は期待通り。満ち足りた声音で言を俟たない自明の感想を述べ )
そうだな、ブルーチーズの一種だろう。無いとは思うが…仮に誰かが酒の肴にでも取っておいたんだとしても、バレなきゃ済む話だ。
( 全体的に黄味を帯び、点々と青カビの広がる食品を注視して。一部の例外を除き、この手の乳製品は眠らせる程に風味を豊かにする。恐らく意識して探しもしなければ分からないような箇所に置かれたこの乾物が、ほかの参加者や荘園関係者の秘蔵物である可能性は無きにしも非ず。とはいえ隠し場所が場所だけに、勝手に手を付けられても文句は言えまい。再びティーカップに口を付けると、視線を以て己の目の前に並ぶ食品を示し )
君も何か食べろよ。特にそのチーズ、私一人で丸々一切れ口にするのは…なあ。パンとチーズをそれぞれ二つに割ったら良い感じじゃないか?
( 純粋に相手を思い遣る気持ちが半分、"万一の時は君も共犯だ"という邪な思いが半分。このささやかな食事に敢えて口を出そうという者は居ないだろう。仮に揉めたところで、誠実な友人が自分を庇わんとする様は目に見えているが。その実、己は子供じみた秘密を共有したいだけなのかも知れない。見え透いた悪意を自負する一方で、自覚しては都合の悪い意図に素知らぬ振りを貫き )
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