名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
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( 現と夢のあわいを揺蕩っていた意識が落ちる。そのまま深い眠りに就くかと思われた刹那、活動を休止した脳裏に煌めく閃光。二度、三度。暗闇の中、電磁波音を伴った強い光が立て続けに放たれた。断続的に放たれる電光を受け、何者かの影が浮かび上がる。直感的に悟ったのは、その人影がかつての己であるということ。ならば問わねばなるまい、叡智の結晶たる大発明について。あの実験に辿り着くまでの研究について。件の装置を稼働させるための理論について。我知らず、いつの間にか光源を目指してひた走り。しかし呼べど走れど、在りし日の己からの応答は無く、距離が縮まることもない。その時、不意に地面が不自然な沈み込み方をした。一旦足を取られたが最後、底無し沼のように沈んで行く。足が縺れようと倒れようと、進まなければならないのに。藻掻くほど灯りは遠くなる。冷えた闇に呑まれ、やがて視界を黒一色が覆う。最早これまでかという時、地表に伸ばした手を掴まれた。節くれ立ちながらも確りとした両手に、ぐっと引き上げられて── )
……っ、…ああ、夢か。──私は彼に何を求めているんだか。
( 勢いよく起き上がると同時に、背に掛かった外套がずれ落ちる。つい零れた独白の通り、暗闇の中で窒息しそうになったのは如何やらまやかしであったらしい。だが、あの時自分を救わんとしていたのは確かに。慣れ親しんだとは言わずとも、幾たびか彼の手に触れた覚えはある。あんな夢を見るなど、己は友人に何を期待しているのか。一から十まで凡そ自分で熟してきた"囚人"が、他者に斯くも大きな期待をかけるのは初めての経験だ。その嘱望が相手の負担とならないことを祈る辺り、己にも気遣いをするだけの人間味が残っていたかと客観視して自嘲。いつの間にか?を伝っていた冷や汗を拭い、辺りを見回して )
しかし、私はどれだけ眠っていたんだ?クレス君は戻ってきていないようだし、ここは一つ様子を見に……。
( 未だ友人の姿は見えない。席を立ち、様子を窺ってみるのも悪くないか。そう考えた直後、炊事場から此方へと向かう足音が聴こえて。瞬間、悪趣味な思考が頭を過る。咄嗟に机上へ顔を伏せて口を噤んだ。眠った自身を前に、友人はどう対応するのか。そら寝を貫くことを決めたのは極めて単純かつ幼稚な理由。やがて気配と物音から彼が傍に戻ってきたのを悟る。葛藤の最中にあるらしい独り言が純粋な友人らしく、笑い出しそうになるのをぐっと堪えながら狸寝入りに興じて )
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( / お世話になっております、囚人の背後です!墓守君から反応を貰える度に窺える「彼らしさ」を日々噛み締めております。台詞、所作、心情、そのどれもが解釈と合致しておりまして…素敵な墓守君を提供して下さる背後様には今一度心より御礼申し上げます。
そして本題なのですが、実は本日より3日の火曜まで多忙な生活が続きそうでして、数日の間は返信が一時途絶えてしまう可能性があるという告知に参りました。こちらから募集をかけておきながら申し訳ない限りです…。また、墓守君とのやり取りを毎晩の楽しみにしていただけに当方も大変心苦しいですが、ご容赦いただけますと幸いです。何卒宜しくお願いいたします! )
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