名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
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疾っくの疾うに承知してる。それだけあんたには叶えたい何かがあって僕みたいな無能が邪魔出来やしないのも。
( そうだ、一体己は何を言わんとしていたのか。何処か虚しさをも感じ取った今、これ以上天才発明家の使命に水を差す真似はただただ愚かな振る舞いであると認識せねば。集中こそ現実の憂いから我が身を守る術であるとしたら余計に。どうか卑屈には捉えられないように、一瞬口元の筋肉が痙攣したかの如き笑みも添えて単純明快な事実を述べるに留め )
──…結局眠いんじゃないか。僕を前にして誤魔化す必要なんか無いのに分からん奴だな。あれで風邪でも引いたら誰が面倒を見るんだ?…僕は看病なんて出来ないぞ、寧ろもっと酷くさせるに違いない。
( 炊事場へ去る直前に振り返って見た光景。取り繕う必要がある相手だと思われているのか、それは断じて嬉しくはない。何故なら己は彼を前にして巧みに取り繕わねばならない存在と認識していないから。砂糖の壺を探す間も独り言が漏れるばかりで、それがどうして哀しさを誘うのか読めずにぼそりと呟き )
あれだけコーヒーの種類を揃えておいてあるのは嫌がらせか?コーヒーなんか一つで充分だろ。このチーズのカビはまさか…じゃないよな。腹を壊されたら困る。おい、起き───クソッ!起こせない!
( たかだか飲み物一つ淹れるのも一苦労。美味しく頂く為の適切な淹れ方は見様見真似で何とかなるつもりが何ともならず、薄いのか濃いのかさえ微妙なそれを盆に載せダイニングテーブルへと戻り。他にも表面が硬いパンや乾いたソーセージや、戸棚の奥にひっそりと隠されていた恐らくブルーチーズの仲間と思しき物体を失敬していて。独特の臭気を放つチーズに顔を顰めながら眠る友人の側へ立ったは良いが、先程入眠したばかりの相手を起こすのが忍びないが為に、誰にともなしに啖呵を切り )
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