名無しさん 2020-10-21 17:10:45 |
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( 前時代的な差別の犠牲者は、拝金主義に見えてその実どこまでも無欲だ。もっと求めても罰は当たらない、などという勧めはかえって毒になる。今の自分に信仰を汚す資格はあるまいと口を噤み、是と非とも唱えられないまま曖昧な苦笑を携えて彼の後に続き )
はは──それは頼もしい限りだ!良くも悪くも、私は一度集中すると半端なところじゃ切り上げられないたちだからな、君が居てくれると助かる。ああ、大人しく待ってるから安心してくれ。
( 装置の組み立てや基盤の調整に熱中し、不寝の晩を幾たびか超す内に意識を失っていたことも一度や二度ではない。発明を疎かにするつもりは毛頭無いものの、生活習慣の乱れからゲームの参加に支障が出ては本末転倒だ。全くの部外者に研究を邪魔されたのでは気が散って堪らないが、参加者の中でも己に理解のある彼なら頃合いを見計らって声を掛けてくれるだろう。自身の過集中を省みるどころか友人への甘えた期待を胸に、大きな食卓のうち適当な席に陣取って )
分かってるさ…それと、君の分も忘れるなよ?私が飲み食いする風景を黙々と眺めてたって、得るところは何も無いからな。
( 味の良し悪しなど気にするものでもあるまいに、わざわざ予防線を張るいじらしさに頬が綻ぶ。腰を落ち着けると同時に直感したのは、緩やかに這い寄る睡魔の存在。彼が戻って来るまでにはどうにか意識を保てていれば良いが。頭の片隅でそんなことを考えながら、頬杖に頭を預けつつ去る背を見送ろうと )
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