うちはの兄と岩隠れの芸術家

イタチ（それじゃあな。（猫を撫で終えると再び歩きだした、夜がすぐそこまで忍び寄ってくる事が分かると急ぎ足でアジトに帰り始める、早く帰らないとリーダーにどやされてしまう…）さあ早く帰らなくては…！）

……ふう、よし、何とか終わったな（起爆粘土で作り出した鳥を見送った後ふと懐から持ち合わせている治療用の道具一式を取り出しては鳥の羽の治療を始めて思ったより怪我が酷かった為時間がかかったが何とか応急処置を終えては一息吐きお礼を言うように鳴いてくる鳥の頭を気にするなと微笑んで撫でてはふと空を見て「…ヤバイな、すっかり暗くなっちまった…」とあれからイタチと起爆粘土の鳥がアジトに着いた時間を大きく過ぎていて空には星が出ていてすっかり暗くなっていて）

イタチ（遅いな…。（別れたデイダラが遅い、一向に帰ってこない。夕飯を過ぎても帰ってこないとはおかしい、サソリさんも珍しくソワソワしてるし…仕方ない、ここは俺がさがしに行くか…。そう思いリーダーに言いに行くと渋々だが許可してくれた。俺はリーダーに心の中でお礼を言うとそのまま部屋を出てゆきアジトを出るとカラス達を数羽呼び寄せて共にデイダラを探させた。）…何処にいるんだ…）

……んー……早く帰るべきなんだろうけどなあ…（少しの間手当てをした鳥の頭を撫でていればすっかり安心したのか眠ってしまった鳥に一息つくが実はさっきから此方の膝の上を陣取って眠ってしまっている為下手に動いたり動かせば起こしてしまいそうで動くことが出来ずそんなことを小さな声で呟いていては１つ溜め息を吐きつつ鳥の頭を指で優しく撫でて）

イタチ（…（木々の間を無言で走り抜けて行く、風が気持ちいいと感じながら走って行くがふと自身が飛ばしたカラスが飛んで来て自身の周りを回った、どうやら見つけたことを知らせてきてくれたらしくお礼を言うとそのカラスに着いていった）…何処にいるんだかな…あいつは…）

…今なら、大丈夫だよな…？（少しして念のためにと起こさないように更に治療を施しては深く眠っている様子の鳥にとても小さな声でそう呟いては起こさないように慎重に両手で鳥を抱えてはそっと草の生い茂る地面に置いて優しく頭を撫でた後ゆっくりと立ち上がり帰り道に向かって最初はゆっくりと歩いていき）

イタチ（デイダラ…！（デイダラの金髪と特徴的な髪型が相まってすぐに見つけられ少し嬉しそうに声をかけデイダラの目の前に降りてゆき）デイダラ、大丈夫か？怪我はないか？）

……！え、イタチ？何でアンタが此処に…あ、ああ、オイラは何ともねえし平気だけど…（声がした方に法度顔を向けては降りてきた人物に目を丸くして思わずそう呟くが後の問いかけにはこくりと頷き自分はなんともないと伝えてふとイタチの傍らに飛ぶカラスを見つけてはそっと眉を下げて「…えっと、もしかしてオイラを探しに来た……とか？」と恐る恐る目の前のイタチに問いかけてみて）

イタチ（何もないならよかった、敵の忍に何かされてないかと心配になったからな。（何でもないと分かればホッ、と一息つき側を飛ぶカラスを肩に止まらせては頭を撫で）よくやったな…偉いぞ。…そうだ、お前があまりにも帰るのが遅いから心配になってな、サソリさんも珍しくソワソワしてたし…（宙を向きながらさっきのサソリの表現と言動を思い出しながら言えばデイダラに視線を戻し）兎に角帰るぞデイダラ、リーダー達も心配している。（木に上ると上からデイダラに言い放ち））

…サソリの旦那がソワソワしてた？…すげえ珍しいな…旦那って普段から冷静さを崩すこと殆どねえのに…（ホッとした様子の相手に何だか申し訳ない気持ちになりつつ相方がソワソワしていたと聞けばキョトンとなり本当に珍しいというような小さな声でそう呟き木に上った相手から早く帰るぞと言われては数秒後ろのかなり離れた鳥が居る草原の方を見た視線を前に戻し「…ああ、わかった」と１つ頷き同じようにジャンプして木に上っては相手と帰路につき）

イタチ（だろう？サソリさん、パートナーを失ったばかりだから敏感になってるんだろう。（デイダラの言葉を聞き自分の憶測を呟けば草原のほうを見たデイダラを見て目を伏せてジャンプし始めアジトにつけばリーダーの部屋にゆき）……戻ったぞ、リーダー。デイダラは怪我はしてないし何も奪われてない、大丈夫だったぞ…（静かな声でリーダー、ペインに言い報告を終えると部屋から出て行こうと扉に手をかけ））

……パートナー、そっか…（イタチからのパートナーと言う言葉に少し前に前の相方について話を聞いたときの事を思い出しては納得して１つ頷き、リーダのペインはイタチからの報告に『そうか、ご苦労だったな…』とだけ労りの言葉をかけた後扉に手をかけたイタチを見て書類に目を落とした後『お前は最近デイダラの様子についてどう思う…』と何時もの感情のこもらない声で呟くように問いかけて）

イタチ（…デイダラをか？（デイダラの事を聞かれ一瞬キョトン、とするがペインの方を向き少し考えるそぶりを見せると口をゆっくりと開き）デイダラの事はまだ入りたてで何も言えん、だがしかし優しく、伸び代のある奴だと俺は考えている。（淡々と自身の意見を述べるとペインに同様の質問を投げ掛け））

ペイン「………そうか。お前の言う通りアイツは忍術は色んな応用がきく、伸び代はあるだろう（淡々としたイタチの言葉に書類に目を落としたままあいかわらずの感情のこもらない声でそう呟き「…だが、まだ19と言う歳ゆえにアイツは危うい…」と書類を書く手は緩めずにそう呟くように口にして）」

イタチ（やはりリーダーもそう思うか。（リーダーの感想を真剣に聞いていたが聞き終われば頷いて言い）…うむ、無理をしかねんからな。…サソリさんは苦労しそうだな…（上を向いてサソリの事を思い出しながらボソッと呟き））

ペイン「ああ、思ったことを言ったまでだがな（その呟きにこくりと頷きつつ思ったことを言ったまでだと呟いた後に相方であるサソリが苦労しそうだと言う言葉を聞けば書類を捌く手は止めずに「…ああ、サソリは苦労するだろうな…今のデイダラは大人になりきれない子供のような状態だ。小南が言ってたが、最近夜によくアジトを抜け出して朝まで空を見てることもあったらしいぞ」とサソリは苦労するだろうと呟き感情のこもらない淡々とした声でスラスラとそう言葉にしていき）」

イタチ（…ふむ、そうなのか？（リーダーの言葉を聞けばそう聞き返すが自身でも考え）参ってしまったな、まあまだ歳相応…環境の変化に馴れてないからしょうがないとはいえ何時までもこれでは参ってしまうな、ゼツあたりが説得してくれないのか？（他力本願だが、と付け足しながら言うと内心自身かサソリさんに頼むしかないなと考え））

ペイン「…ゼツでは無理だ。アイツとデイダラは別に仲が良いわけでもないからな（参ったと言うイタチの問いかけに始めて手を止めては相変わらずの無表情でイタチを見てキッパリとゼツではダメだと言っては「……お前が説得してみろ、イタチ。俺の予想が正しければ恐らくデイダラはお前には本音になれるだろう」と普段通りの声でイタチに説得してみろと伝えた後そう呟くように口にして伝えて）

イタチ（じゃあサソリさんにでも…（頼めばいい、そう言いかけたが自身にやれと言われ驚きのあまり目を見開いて）俺にやれと言うのか！？あいつが俺に素直になるかどうか…不安要素は沢山あるがまあ仕方ない…。分かったリーダー、任せてくれ。（ブツブツと独り言を言っていたが最後はペインの方を見てはっきりと言い））

ペイン「ああ、ある意味アイツが一番素直になれるのは恐らくお前だろうからな（流石に驚いた様子のイタチに表情を変えないままそう口にして此方を見てはっきりと言われた言葉には此方も１つ頷き「頼むぞイタチ。アイツの成長も今後の活動に大事だからな」と変わらず感情のこもらない声だがそう伝えて）」

……（すっかり夜が耽った頃、アジトのリビングでじっと窓の外を思いふけるように見ていて）