嗚呼… (彼女を残して先に外に出れば、既に空には月や星が輝き。蝶屋敷の庭には夜行性の蝶が数匹飛んで、そっと手を伸ばすと一匹が指に停り。見ているうちに彼女を重ね、何故うまく気持ちを伝えられないのだろうと悩み。先日悲鳴と百人一首の話をしていたのを思い出すと、目を細めてその蝶に語り掛けるように) …しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで