アルバート 2020-10-07 14:22:52 |
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(親方にくっついたのか、と言われるもアルバートはやはりどういう意味か気付いておらず。その場は同じように親方に連れられて帰っていった。しかしその後、治療のため週に一度訪れる医務室において、「彼女とのデートまでに治さないとね」なんてことを言われようやく親方の発言の意図を知る。但しそれでもやはり当人に自覚は無い様子で、その場では「いやいやそんなんじゃ無いって」と照れた様子もなくあっけらかんと否定する。だが、宿舎の自室に戻ってふとこの前医務室で見たアイリスのしおらしい態度や表情を思い出し、それを先程の彼女発言と重ねると、さしものアルバートも少し顔を赤くし、モヤモヤとした何か不思議な感情が胸を締め付ける気がしていて。ブンブンと頭を振ってしまえば振り払えるだけまだ幼い感情ではあるが、確かに『それ』はアルバートの中に芽吹いている様子だった。
因みに──回復系の魔法には、通常の回復魔法、医者の使う医療魔法と、僧侶の使う治癒魔法、大きく分けてこの3つが存在している。回復魔法は失った体力を元に戻したり、痛みを和らげる魔法。医療魔法は患部の治療促進を促すいわば薬のようなもの。そして僧侶の使う治癒魔法は上記の回復魔法と医療魔法、両方の効果を有しており、更に神の加護を受けた肉体に対してはその効果が増大し、通常であれば数ヶ月の入院が必要な怪我も立ちどころに治してしまうとされていて、少人数の勇者パーティーが大戦果を挙げるもっとも大きな要因は、この神の加護による治癒能力促進にあると言われている。僧侶の治癒魔法がしばしば『奇跡』と呼ばれる理由もそこにある。──メ=ラタデ書房刊「回復系魔法の歴史」より)
(動けない間は(普段本に興味がないアルバートでも笑いながら読めるレベルの)そんなくだらない本を読んでいたこともあり、アイリスとデートの時のネタにでもなれば良いなと思いながら……いや、デートではない、単に一緒に遊びに行くだけだ、決してデートでは……そんな謎の葛藤をしつつも当日。胸元に紐のついたレースアップのシャツという無難な格好を選択、まぁそもそも他に外行き用の服が無かっただけであるが。髪型は普段よりしっかり整えることを意識し、少なくともアイリスに手直しして貰わなくとも大丈夫な状態にして。そしてソワソワする気持ちを抑えられず、少し早めであるが20分前くらいに付くよう宿舎を出て待ち合わせ場所に向かって)
ん?アレは……
(待ち合わせ場所に近づくも、どうやらまだアイリスは来ていない様子だった。代わりにストレートヘアーの見知らぬ綺麗な少女が、ナンパ男達に絡まれているのを発見する。見るからにその少女は困っているようで、見かねたアルバートが急いでその少女と男達の間に割って入って)
お前らやめろよ、その子困ってるだろ!
(背丈こそ無いものの、普段から戦いの中に身を置くアルバートにとってナンパな男を威圧し引かせる事は造作もないことだった。男達が引いたあと、ふぅっと一息付きながら「大丈夫だったか?」と振り向くと、そこには先程まで別人だと思っていた幼馴染の姿があった)
え、あれ…アイリス?
(少し離れたところから慌てて駆けつけたためちゃんと見ることが出来なかったとはいえ、いつもなら間違えることは無かったであろうが、髪を下ろしているのと、いつも以上に女性らしい格好と雰囲気が見間違えさせたのか。無論普段もかなりの美人であり女性としての魅力に溢れているが、今の彼女はそれよりも綺麗だった。それこそ間違えてしまうくらいに)
あ、わ、わりぃ……その、凄く綺麗で……
(一瞬見惚れて反応出来なくなっていたが、2週間前から少しずつアイリスに対して感じていた淡い気持ちと相まって顔を赤くして、そのうち直視できなくなる。頬を掻きつつ、ひとまずは別人と間違えてしまったことを謝罪しつつその理由を述べて)
(/おお、良いですね!末端が人の目につくと、それくらい組織が拡大しているって感じがしますね。
魔力のある子供が誘拐されているのを助けて、最近子供だけでなく魔力の強い人が度々拐われる事件が起こっており、その拐われた人が何故か北の渓谷で見つかったりっていう話を聞くとか。そういう感じでどうでしょう?勿論前後でイチャイチャもしつつ←)
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