アルバート 2020-10-07 14:22:52 |
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……。今日の依頼がモンスターの駆除じゃなくて、護衛依頼だったらと思うとゾッとする。
(着地して気持ちよく胸を張りながら賞賛の声を待つ。"すげえ!やったな!"いや、今なら"俺も負けねえからな"あたりかなと勝手に予測をつけて待った声とは裏腹に、届いた笑い声はアルバートにしては気弱な平坦なもので。その虚勢のまじる声に聞き覚えを感じて、そのまま彼の前に立つとその姿を見下ろす。アイリスを見上げるその似合わない愛想笑いの中にも既視感のある苦いものが混じっている、自分はその苦みに耐えられなくて先日目の前に噛み付いたばかりだ。性別的にどうしても手に入らない力に自分が嘆いたからこそ、魔法を使わない彼が自分のように戦うことが出来ないことに苦しむ痛みが、置いていかれる焦りがよくわかって、同情しないように深呼吸をしながらその頬に両手を添えて視線を合わせる。自分がされて一番辛かったのは同情だったから。自分を救った強いライバルでいたかったアイリスを認めてくれた言葉を思い出して、大事な人を守りたいという彼の夢を肯定する言葉を必死に探すも、漏れた言葉は上記の通りで、嘘ではないが伝えたいことの少しも伝わらない自分の口下手さに辟易しながらそっと手を下ろす。)
あー、だからね、うん。
今の私は"コレ"で前より強いモンスターや悪党を倒せるかもしれない……けど、そこに人がいたら救えない。
でも今のアルバートならその人たちを逃がす時間を私より多く稼げる。
(素直に相手を褒めようとすると逃げ出したくなるのを唸りながら必死に耐えている顔は滑稽かもしれない。それでも今度は自分の言葉が彼に届く事を祈って、アルバート見下ろしたまま必死に言葉を重ねる。グダグダと苦手な言葉を重ねながら、それから最後に心底悔しそうに言いたくなさそうに、この3週間スポンジが水を吸うように成長していくアルバートの剣術を見て思っていたことを口にする。)
それに親方は魔法は使えないし……
それに、それにね。多分、今のアンタと戦ったら私負けるわよ。
(/こちらが未熟でレスに組み込めなかったのですが、最後の浮いたアイリスと対象的に浮かないアルバートくん不意打ちで吹き出しました笑)
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