アルバート 2020-10-07 14:22:52 |
通報 |
な、な……ああ、もう!……わかったから、離れてってば!
(無理のある言い訳で反発するアルバートにいつもの調子が戻ってきたようで此方も安心する。アルバートの必死な否定をどうだか、と片眉をあげてクスクスと笑う姿は、先程の激昂も普段のすましたキツさも感じさせない年相応の女性らしいもので。いつも通りの子供らしい幼馴染の表情に油断したところで、真正面から見つめられかけられた熱量のある言葉に固まる。ここまでのやり取りは自分の中ではライバルとして、冒険者としての範疇だと認識していたが、目の前の男は幼馴染、つまりプライベートでも一緒に夢を追いたいと言い出すでは無いか。耳の先まで先程とは違う理由で真っ赤になって絶句するが、どうせこの"幼馴染"のことだから何も考えてはおるまいと頭を勢いよく降って半ば突き飛ばすように後ろに飛び退き。呑気に特訓の続きの準備を始めた彼に後ろから聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。)
ありがとう、アルバート。
……やる気なところ悪いけど、今晩はもう遅いし続きは明日以降にしよう。
本格的にやるなら剣の持ち方からだし、基本の型もいくつかあるから、今から教えてたら日を跨ぐわ。だからって途中で止めたらアンタ勝手に練習するでしょう。それで変な癖が着くのは本末転倒だわ。
(気合いを入れ直したアルバートに触発されて、先程落とした木刀を揚々と拾い上げると手のひらにビリリと鋭い痛みが走る。そういえばさっき一戦やってアルバートを力任せにひねり揚げて……待て、今何時だ?と訓練場の時計を見上げれば夕食が終わってから2時間近くたっていて慌ててアルバートを振り返る。冷静な様子ではあるものの、気合いの入ったのはアイリスも同じで大変帰りたくはないのだが、休むのも仕事だと自分に言い聞かせ。前のめりで次の予定を決めようと。)
明日の朝は!?依頼入っちゃってる?
トピック検索 |