アルバート 2020-10-07 14:22:52 |
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ハアッ!
(予想通り喉を狙った初手は剣でいなされる、とすれば次に警戒すべきは盾だ、剣のような斬れ味はなくとも重量のある盾は十分な鈍器になる。盾が迫る前に、追ってくる木剣は魔法で牽制し、盾を足蹴に飛び退き次の手を。何度も挑まれ手を合わせたライバルの動きは手に取るように体に馴染む、特に初手の突きからの流れは、最早考える前に体が動くほど繰り返したものだ。最初のうちは返り討ちにできていた勝負も、いまや互角、以前であれば決められていた手が止められ、いなされ、打ち返される。それがライバルとして純粋に嬉しかったのは、このままギルドの双翼になると信じて疑わなかったのはいつまでだっただろうか。日々進行形で重くなっていく一撃一撃に痺れる手が疎ましく、この半年で追いつかれ追い抜かれなおも伸び続ける身長が妬ましい。
幼少から叩き込まれた無駄の一切を削ぎ落とした剣術が、長期化した打ち合いの末アイリスに味方する、アルバートの大振りを見逃さず間合いへ潜り込むと、下から上にその疲労で浮いた顎を目掛けて、これを止められればもう痺れた手は木刀を握れないだろうと、僅かに長続きした体力を全て使い切るつもりで、目くらましの光魔法のフラッシュとともに木刀を跳ね上げた。)
……そこよ!!!
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