(そこにもう黒猫の姿は無かった。代わりにいたのは、十代後半くらいの少年。ただ、その頭にはぴょこんと猫耳、腰には長い尻尾がくっついている。もともと黒猫がいた場所に座り込み、退屈そうにフローリングの溝を指でなぞっていたが、気配を感じ、彼女の方を振り向いて) ……拾ってくれてありがと