△ 2020-09-24 18:42:18 |
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良かった……無事ね。
( 一歩、部屋に足を踏み入れては幸い彼の血の匂いはしない事に安堵の息が漏れ。必死の形相で気品の欠片も感じられない彼女の馬乗りになった姿が、窓辺から差す月夜の光でぼうっと浮き上がるとその滑稽さに嘲笑が込み上げ「 ……今の貴女はとても見苦しいわよ、リザ。生憎譲れるものは何一つ無いわ……譲る気も更々無いのだけど。」静かな憤りが言葉の一つ一つに刃物を含ませるように、彼女を突き刺しながら一切の譲渡を拒み。深紅の奥に滾る憤怒に焼かれ、温度の無い突き刺す青に、命が脅かされている事に漸く気付かされた彼女は指先一つ動かせず、ただ奥の歯を恐怖で振るわす事しか出来ないでいた。戦意を喪失しきった彼女にはこれ以上何も出来ないだろう、平手の一つ見舞う程の価値も無い。「 ……帰るわよ、レノ。」コツリと踵を返す音が部屋に響き )
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