真夜中のピエロさん 2020-09-17 20:12:21 |
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(その頃図書館には不釣り合いな、やけに派手な衣装とメイクをした男が静かに入ってきた。男は他の人間を一瞥すると司書の方へと歩き、対応をしようとした司書の頭を掴むとまるでリンゴのように軽く握り潰してしまう。赤黒い血液が弾けて頭を無くした司書の身体は前のめりに倒れ、カウンターを真っ赤に染める。男はその様子を無表情で見つめた後、すっかり怯えきって声すらも上げられない客達の方へ向き直り…見るからに毒々しい紫の液体が揺れる小瓶を取り出すと躊躇もせず投げた。客達のうちの一人に小瓶が当たり、割れるとその客の顔の皮膚が飴のようにどろりと溶け出す。「……」男は顔の溶けた客の断末魔の悲鳴を聞きながら流暢な、しかし言葉の節々にドイツ訛りの目立つ英語で何事かを述べた。男が随分と長い時間を掛けて客達の殺戮を終え、きっちりと磨かれた板張りの床が血みどろになった図書館から出ようとすると…)
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