菓子好きの語り部 2020-09-14 14:33:54 ID:1662111e6 |
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>シャーミン様
『あらら…それは災難でしたね』
まずはこれでも飲んで落ち着きなさいな、と小学生のように頬を膨らませる男にアイスティーを差し出す。まだまだ夏の暑さが残る季節に店に飛び込んできた彼は、自分より若くきっと代謝もいい。まずは冷たい飲み物でも飲んで、心と身体をクールダウンしてもらおうと思っての行動だった。
『でも、色々な人と付き合ってきたんでしょう?』
アモンさんが疑いたくなるのも少しわかる気がするよなどとふんわり伝える。自分に乙女思考があることは十分理解しているつもりだが、どうしてもアモンさんなる人物に同情を抱いてしまう。だが、目の前の若い彼が一途な想いを抱えていることも知っている。
『シャーミン君がアモンさん一筋なのは、きっとアモンさんも気付いていると思いますよ?ファイトです!』
なるべく恋する彼を傷つけないように慎重に言葉を選び抜き、困ったように眉尻を下げて微笑む。困ったように微笑んでは見たものの、心の内は全く困ってはいなかった。それもそのはず、手のかかる弟を持ったようで、彼がこうして逃げ込んでくるのを楽しみにしているのだ。世話好きのおじさん……否、お兄さんにとっては微笑ましい光景である。
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