語り部 2020-09-12 10:14:44 ID:1662111e6 |
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>朔様
(「当たり前でしょう。出雲の旦那は皆の旦那ですからねィ。」彼は胸を張るように誇らしげな笑みを浮かべ、寒いのか番台の上に放り出していた黒の洒落た裏起毛ジャケットを羽織る。「それにしても旦那、遅いですねィ…また忍さんの所で和菓子でも食わされてンですかねィ。」彼は時計にちらりと目を遣ると一瞬心配そうな表情を浮かべたがそれはすぐに苦笑いに変わる。「…懐かれてるなんてもんじゃありやせんぜィ。コイツら舐めてるだけですぜィ、俺のこと。」「だってジローはジローだもん。そうだよね?」ジローの文句に返すようにそう言った女の子につられて数人がくすくすと笑う。「誉めてくれてありがと。ねえねえお兄ちゃん、ジローはね、お洒落な人間のお洋服いっぱい持ってるんだよ。出雲さんのお洋服もジローが持ってたお洋服なの。」あやとりを褒められた女の子は喜びを隠すように大人びた口調で返すと「お兄ちゃん」の耳元に口を寄せてそう教えた。)
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