匿名さん 2020-09-12 02:26:04 ID:1662111e6 |
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>ヴァラディア様
『あァ?誰だあんた』
心のガードから何からが緩々になっている状態にかけられた声。一方的な話を切り出した男に不信感を抱いていると、何やらよく分からないものを渡される。男は循環やら何やら話していたが、太陽と月から魔力を永遠と補給し続けるフルーリールにとって腕輪は必要ないことは明らかだった。そこまで考えて、嗚呼ベルグ用かと合点がいく。しかし、ベルグにはガルムの花があるのだ。魔道具に助けられなくとも2人で何とかして生きられるとまで思考を廻らせ、男に視線を戻す。
『…急いでいるところ悪いが、此奴は俺が魔力を上げりゃァちゃんと生きていけるんだァ。だから、これは要らねェ』
『僕、ガル大好き!美味しい!』
言い切ると、ぽいっと無造作に男へ腕輪を投げて返す。ガルムの薔薇もとい魔力を食べ終えたベルグから嬉しいような嬉しくないような声が上がったあたりで、腹部に重い衝撃が走る。鈍痛の根源が頭をこれでもかと押し付けて撫でることを強請ってくるため、溜息とともに頭を撫でてやる。気持ちよさそうに脱力するベルグに口端を緩めつつ、謎の男の出方を待った。
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