匿名さん 2020-09-12 02:26:04 ID:1662111e6 |
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『雲……綿飴……ふわふわ、もふもふ』
外装が洒落た洋館風にリニューアルされたことに加え、立派な緑のカーテンまでこさえた屋上。水を与えなくても青々と広がるそれは、誰かの魔法によって輝きを増しているようだった。誰かが手入れをしているであろう緑のカーテンに、堂々と体を横たえる影が一つ。空を見上げながら美味しそうと呟き、細い腹を摩っていた。
『…ご飯、降ってこないかなぁ』
くーくーと可愛らしい音を響かせる腹に対して、もふもふから食べ物を連想する男の頭は物騒である。上半身を起こすとふわふわと風に揺れる己の翼を掴み、空を飛ぶ鳥らしき何かを見つめる。暫くすると手元に落ちてきたそれにかぶりつき、ばりばりと音を立てて空腹を満たし始める。その姿は天使とも悪魔とも似つかず、ものを知らない純真な子どものようだった。
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