時の政府の犬 2020-09-05 17:39:51 |
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>葵
近くにいるんだね、僕の主。……逃げないで。
(耳に届いたのは、微かな衣擦れの音。はっとしたように物置の扉を開くが誰もおらず。しかし、扉の隙間からこちらの様子を伺っていたとすれば__入り口に近いあたりの床に手を触れればまだ温もりが残っており、それはつい先ほどまで”誰か”がそこにいたことを示していて。この状況下であれば間違いなく主だろう、そう確信すると笑みをこぼし。もう一つの扉に目を向け、そこから逃げ出したのだろうと見当をつければ奥の扉を開けると廊下に出て。日頃使っているからか、足は自然と江派の部屋が並ぶ方へ向き。まさか主も追手の部屋には逃げ込まないだろう、自分の部屋の前を通過すると、その隣、桑名江の部屋の前で立ち止まり、扉に手をかけ)
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