誇大妄想狂 2020-08-20 11:06:10 ID:5a7104027 |
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(/すいません!事件翌日の病院の、夜のRPを書いておきます!)
(設備の整えられた、タワーマンションの上層階の一室。そこは幻の住まいで、両親が特殊実験都市で活動するほどの実績をもつ研究者であるからこそ住める場所だ。といっても、有名な研究者というよりは有望な研究者の一角なので、一般的には研究者に詳しくない限りはピンと来ないだろう。
部屋の内装は、洒落ているというよりは機能性重視で、薬品用の小さな保管庫なども完備されている。
時刻は夜。人々もまばらに眠りにつく位の時間帯で、幻もサメの抱き枕にしがみつきながら、眠っていた。……が、途端に幻の様子が、どこか苦しそうな呻き声をもらし始め……)
「いっ、ぅ……が……ぁあ………っ!?」
(青ざめた顔で飛び起き、パジャマ越しに胸元を手で押さえ、荒く早い呼吸を繰り返す。そして程なくして、頭が痛むのか苦痛に歪む表情になり、両手で頭を掴み、痛みをこらえる。目からは涙がぽろぽろと溢れ……そんな苦しい状態が、数分続く。)
「あぐ……っ!?……はっ…!…………はぁ……はぁ…」
(治まったのか、ベッドからゆっくり離れ、洗面所へよろよろとした足取りで向かう。鏡で顔色を確認する。……真っ青で、涙で顔が赤く腫れた、酷い様子。視線を鏡から外して、水を流してコップに注ぎ、ゆっくりと水を飲む。)
「……だい、じょうぶ………今回は、軽いから……」
(そんな言葉を呟き、水を止めて、また寝室へ向かい、ベッドに倒れるように横になり、サメの抱き枕を抱き寄せる。
……これは、幻の能力のデメリット。自分か他人を、その血の力で癒せば……癒した怪我・病気の重さ・人数に応じて…悪夢を見たり幻覚作用を食らう羽目になる。それが起きるのは、決まって寝ている時。だから幻は、眠るときは二度眠る。二度目がちゃんとした睡眠で……一度目が、デメリットを消化するため。
悪夢も、幻覚作用も、どれも酷いものだ。火炙り、磔、絞殺……痛覚的にも、視覚的にも、精神的にも。とにかく、あらゆる方面で苦しめにかかるデメリットを、幻はずっと受け、その恐怖は体に刷り込まれている。その度に、幻は能力を使うことに恐れを抱き始める。……が、今回の場合は、その恐れより上回るものがあった。)
「…………ふ………ふふ……」
(真っ暗な室内で、スマホの光だけが灯る。幻は……スマホを見ていた。スマホにある……篭矢さんと、日向さんの連絡先を。日向さんを、あの四人を治したことを……感謝されたことを、大事そうに思い出している。)
「……お父さん、お母さん。僕、言いつけを守るからね。人の役に立つために、生きるから……見守っててね。あはは、ははははは………」
(部屋のなかで一人、虚空を見て笑う幻。死者が残した言葉にすがり、まるで恐怖を喜びで無理矢理上塗りしようとしているその姿は……まごうことなく、「狂っていた」。
……その日を境に、幻はさらに積極的に動くようになるだろう。)
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