奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>外導さん、烏丸さん、紅さん、ユーリさん、仙道さん
外導さんの言葉はもっともだ。戦えと言われたら戦い、それ以外は仲良くする。普通に考えて、ルカ君は刹那が敵う相手ではないだろう。
(でも……私はルカ君と戦いたくない。万が一、ということだってあるから)
疾風さんを裏切れないという、烏丸さんたちの返答にうなずいた。ニシを裏切りたくないし、ルカ君を攻撃したくない。その願いが互いに矛盾していることは、よくわかっている。
(……!でも、これは……)
突如、刹那の頭に一つの論理がひらめいた。しかしこれは、詭弁にも等しい。最悪言うだけでも裏切りとみなされかねない。それでも刹那は、口を開いた。
「ねえ、外導さん。確かに、ルカ君は強いです。ルカ君の仲間、ホクシチの人たちは言うまでもない。万が一、私たちがルカ君を倒したら……敵討ちとして、総出で襲ってきかねません。直接戦うことが出来れば勝ち目もありますが……いくら正義とはいえ、仲間を倒した相手にそんな正々堂々とした手段はとらないでしょう。誰か―――まあ私か紅葉ちゃん、最悪疾風さんですかね、を人質にとるか、最悪ニシのアジトに突撃して研究所への攻撃をすることも考えられます。そうなったら、例え勝てたとしても、無傷では済まされない」
そこで一回言葉を切り、皆の顔を見て続ける。
「というわけで、私たち、いやニシにとってルカ君に攻撃する……正義側の恨みを買うメリットって全くないんですよ。確かに正義は敵ですが、積極的に戦ったらニシのアジトが戦場になりかねない……それは疾風さんへの最大の裏切りになりませんかね」
自分たちの保身のために、正義との戦いを控える。それはかなりの詭弁で、「命令だから」と一刀両断されたらそこで終わりだ。それでも刹那は、微かな希望に縋りたかった。
「理屈で全てを割り切れるのなら感情なんてものは有りはしない、本当にそうですよね」
ぽつりと呟いた声は、誰かに聞こえていたのか。
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