奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>凜夏さん、月さん、知佳さん、了さん
とある神社の賽銭箱を前に手を合わせて目を瞑り一心不乱に祈っている一人の女性。
エメラルドグリーンの長髪と身を包む真紅のワンピースが特徴的のその女性の瞳からは薄っすらと涙が流れていた。
彼女……いや、正確に言えば禁忌は家族の変貌振りに深い悲しみを堪えきれなかったのだ。
時は2ヶ月前に遡る。
斑鳩刹那という一人の女性の行方不明。
刹那は禁忌にとって家族同然の存在であり、禁忌にとっては自分自身であり姉妹の様な存在であるユーリの恋人でもあった。
特に恋人のユーリは刹那の行方不明を知ってから全力で刹那を捜索していた。
深い悲しみを現すように涙を流しながら何かに取り憑かれる様に刹那を探し続けるユーリは正直見ていられない程に痛々しかった。
だが、探せど探せど刹那は見つからなかった。
そして彼女の魔力を頼りに捜索を続ける程に現実は無情にもユーリの心を蝕んでいった。
そして数日前
ユーリは………聡ってしまった。
もう二度と刹那は………戻って来ないのだと。
『うあああああああああああああああああああああっ!!!!』
声の限り全力で叫ぶユーリ。
止めどなく溢れてくる涙。
悲しい、悲しい、悲しい。
1番愛していた女性。
彼女の為ならどんな事でも頑張れた。
刹那と一緒に居る為ならどんな相手にも立ち向かえた。
だがもう彼女は……刹那は居ない。
そんなどうしようもなく残酷な現実を聡ったユーリは心を閉ざしてしまっていた。
家族とも禄に話さず、それどころかその時からもう人の姿を見せる事も無くなっていた。
時は戻る。
そんな心を閉ざしてしまったユーリを何とかしてあげたい。
だが現状禁忌にもお手上げ状態で藁にもすがる思いでこうして神社に神頼みという普段の禁忌を知る者であれば彼女らしくないと思う様な事をしていた。
それほどまでに禁忌も精神的に参っていたのかも知れない。
(『……刹那がいつか……ユーリの元へ帰ってきますように……。』)
ひと目見て解るほどに心が弱々しい。
そんな心の衰弱は彼女を良く知る者で彼女の魔力を感じ取る事が出来る者であれば直ぐに分かることだろう。
そう、例えば………禁忌と魔力を分け合った恋人の様な存在とか。
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