奏歌 翔音 2020-08-14 23:38:38 ID:5762b1903 |
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>紅紅葉さん
「あのスタイルを模倣するだけでなく、アレンジできるなんてね。貴女はもっと、その技術に自信を持つべきだよ。……そして、有難うね。刹那のためにここまでしてくれて。きっと刹那も、喜んでくれると思う」
十夜は微笑んだまま感謝を伝え、紅葉の頭を撫でる。その表情には、紛れもなく紅葉やユーリへの感謝が滲み出ていた。しかし頭を撫でる手を止め、少し遠い目をしながら呟く。
「でも、忘れないでほしい。どれだけ多くの人に認められ称賛されようと、本当の意味で救われることはない。……本当に人を救うのは、『心からの愛情』だよ。そして『心からの愛情』に、人数は関係ない。……もし今回のことで刹那が救われたとしても、それは二人の感情によるものだから」
神として紡ぐ十夜の言葉には、どこか重みがあった。多くの人に崇められ畏れられる立場でありながら、なぜ彼は一人の人間の夫となったのか。その答えを暗示するような語り掛けをした後、再び笑顔で紅葉に向きなおる。
「さて。………そろそろ店長さんの所に行かない?ケーキがどうこうって言って、貴女を探してたから」
>ユーリさん
「っ!………ありがとう。ユーリも紅葉も、本当にありがとう」
二人の目的を知り、刹那は確かに目を潤ませる。刹那の銃を模した紅葉のプレイングは、確かに観客を魅了していた。それを思い出すと、胸が熱くなっていく。しかし、それ以上に心に抱くものがあった。
「……でもね。私は多くの人に称賛されたいわけじゃない。…………母さんと禁忌と、紅葉とユーリが私を認めてくれれば、それで十分だから。他人に嫌われようが、疎まれようが構わない。………だから、お願い。私を『愛して』」
紅葉やユーリのしてくれたことには、もちろん感謝している。しかし刹那はそれ以上に、家族の心からの温もりを求めていた。研究所の人達に愛してほしい、他の人のように捨てないでほしい。
刹那は無意識のうちに、縋るような瞳でユーリを見つめていた。
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